食べることのみが菓子の大事ではないように思います。「花」でなければ。 菓=幸袋/とらや(京...
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遠い異国の花。菓=氷砂糖/イラン土産器=モール皿 17世紀
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雨夜にも星の影見る蛍かな。寺納豆ひとつで螢に。 菓=螢/太市(洗足) 器=絵唐津沓鉢 桃山...
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数ある六月の異名のなかでも、弥涼暮月(いすずくれづき)は好きな響き。 菓=弥涼/聚洸(京都...
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このような小さな食べものにも、疫と厄を避ける願いがこめられています。 菓=御所氷室/鶴屋吉...
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葛のなかの三角は、氷によせる夏の思い。 菓=氷室/二条駿河屋(京都) 器=春海バカラ万暦写...
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夏至。ぷちぷちした芥子の実と餡餅の取りあわせは、口楽しい夏。 菓=けし餅/小島屋(堺) 器...
謡曲「鸚鵡小町」にちなむ銘菓。求肥の御簾越しに映る山葵の色と辛味が涼気を誘います。 菓=玉...
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夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり(藤原俊成) 菓=紫陽花餅/花乃舎(桑...
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器=青磁双魚文栗鉢 明時代 遠州蔵帳所載
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林鐘(六月)にふさわしく、小さくも強き花。 菓=河骨/聚洸(京都) 器=青磁双魚文栗鉢 明...
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黄は中国では禁色、すなわち皇帝の色でした。五爪の龍とともに。 菓=七宝宝尽/亀屋伊織(京都...
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水流を染める青楓。割氷はシャリっとした口当り。 菓=蓬莱楓形、割氷/藤丸(太宰府) 器=唐...
住吉大社御田植神事。雨にいやますみどり。 菓=宇治山/甘楽花子(京都) 器=呉須胆礬詩画皿...
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笹の緑と餅の白。小豆のしるしが利休。 菓=利休ちまき/川端道喜(京都) 器=華籠 室町時代...
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嘉祥。菓子を食して厄除け、招福を願う日。柑子の実は「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」と...
器=乾山写紫陽花文鉢 永楽即全作 昭和時代
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七変化といわれる紫陽花の花。五月雨の滴をまとえば貴婦人の如き。 菓=あじさいきんとん/嘯月...
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織部忌。古田織部は茶の湯に美を取戻した人です。「へうげ」だけではありません。 菓=葛織部/...
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水辺を恋う江戸の心。菓=玉川/さゝま(駿河台下)器=南京色絵水禽文皿 明時代末
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長良川では鵜飼の頃でしょうか。菓=鵜/むらさきや(名古屋)器=天龍寺青磁片口 明時代
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鮎は生れて1年経たずに死ぬことから「年魚」とも。はかなげで好きな菓子です。 菓=京あゆ/京...
器=古清水唐獅子牡丹文扇面皿 江戸時代
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「百花の王」とは牡丹のこと。唐獅子と。 菓=花の王/とらや(京都) 器=古清水唐獅子牡丹文...
兄の光琳は才人で、明るく官能的な作風で知られます。 菓=青楓/嘯月(京都) 器=光琳蒔絵桐...
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乾山忌。天才光琳の弟の、屈託と自由と。 菓=五月雨/越後屋若狭(本所) 器=織部写亀甲向付...
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更衣。単衣の軽さは、ときに胸を衝きます。 菓=緑巻/両口屋是清(名古屋) 器=天啓染付銀杏...
九十九(つくも)の名は、いつまでも食べあきないことから。 菓=九十九餅/志むら(目白) 器...
山深き処で会う優しさはまた格別です。 菓=深山の躑躅/太市(洗足) 器=三彩水禽文輪花皿 ...
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岩根に咲く姿に、躑躅のつよさを思います。 菓=躑躅、岩/亀廣保(京都) 器=唐物砂張丸盆 ...
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器=古九谷瓜文皿 江戸時代初
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夏を知らせるホトトギスの声。夜に啼くことから忍音とも。 菓=時鳥/一幸庵(茗荷谷) 器=古...
新緑の爽やかさは、花の盛りのあとだからこそ。 菓=新樹もち/花乃舎(桑名) 器=祥瑞捻鉢 ...
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器=七宝扇面巻子文長皿 明治時代
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手にかくるものにしあらば藤の花松よりまさる色を見ましや(『源氏物語』竹河) 菓=藤きんとん...
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卯の花の散るまで鳴くか子規(正岡子規)。ホトトギスは子規、時鳥、不如帰とも書き、死出の旅路...
器=浅黄交趾兜鉢 永楽即全作 昭和時代
皐月の野山は若葉色に。菓=遠山餅/末富(京都)器=浅黄交趾兜鉢 永楽即全作 昭和時代
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小満。そろそろ麦秋の頃でしょうか。 菓=麦代餅/中村軒(京都) 器=古備前四方大皿 桃山時...
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新緑に映える卯の花。これぞ皐月です。 菓=卯の花巻/二条駿河屋(京都) 器=古染付玉章鉢 ...